近年、地球環境や気候変動への関心が高まり、電気自動車(EV)の注目度も急上昇しています。
では、どの国がこの移行を最もリードしているのでしょうか?その答えは、北欧の小さな国――ノルウェーです。
2025年第一四半期時点で、ノルウェーの新車登録台数の84.5%がEV。さらに、路上を走る車の4台に1台がEVという驚異的な状況です。
本記事では、ノルウェーが世界の「EVモデル国家」となった理由を、6つの視点から詳しく解説します。
1. EVの方が安い!?大胆な税制優遇措置
ノルウェーでは、EV購入時に付加価値税(25%)および登録税が完全免除される一方、ガソリン車やディーゼル車は、
「車両重量」「CO₂排出量」「NOx排出量」などに応じた高額な税金が課されます。
例えば、テスラ モデル3はノルウェーで約500万〜800万ウォン(約50〜80万円相当)で購入可能。
同等のガソリン車は税負担の影響でさらに高額になるため、EVは「環境にもお財布にも優しい」合理的な選択肢なのです。
2. 毎日が得になるEV特典
ノルウェーでは、購入時だけでなく日常の運転でもEVには多くの特典があります:
- 有料道路の最大90%割引
- 公共駐車場の無料または低価格
- 特定の時間帯・地域でバス専用レーンの使用可能
- フェリー料金の割引
特に首都オスロでは通勤利用が多く、これらの特典が時間とコストの大幅削減に繋がっています。
3. クリーン電力でEVをさらにエコに
ノルウェーの電力の92%以上が水力発電。風力を含めると再生可能エネルギー比率は98%に達します。
これにより、「EV=ゼロエミッション」が本当の意味で実現されているのです。
また、エネルギー自給率が高く、輸入化石燃料に依存しないEV社会を確立しているのも大きな強みです。
4. 全国どこでも充電OK!
ノルウェーでは以下のような場所に充電インフラが整備されています:
- 高速道路、空港、ショッピングモール、ガソリンスタンド
- 家庭用充電器の政府補助による住宅街
- 山間部や農村地域
- 急速・普通の多様な充電器
都市でも田舎でも安心して長距離運転ができる環境が整っており、
さまざまなメーカーのEVが選ばれる土台となっています。
【2024年 EV販売ランキング in ノルウェー】
順位 | モデル名 | 販売台数 | シェア |
---|---|---|---|
1 | テスラ モデルY | 16,858 | 13.1% |
2 | テスラ モデル3 | 7,264 | 5.6% |
3 | フォルクスワーゲン ID.4 | 6,200 | 4.8% |
4 | ボルボ EX30 | 5,800 | 4.5% |
5 | シュコダ エンヤック | 5,300 | 4.1% |
6 | トヨタ bZ4X | 4,900 | 3.8% |
7 | アウディ Q4 e-tron | 4,500 | 3.5% |
8 | フォルクスワーゲン ID.3 | 4,200 | 3.3% |
9 | BMW i4 | 3,900 | 3.0% |
10 | 日産 アリヤ | 3,600 | 2.8% |
テスラの人気は依然として高いですが、欧州や日本のブランドもランクインしており、
多様な選択肢が市場に根付いていることがわかります。
5. ついに実現!2025年、新車のガソリン車販売を禁止
2017年、ノルウェー政府は2025年にガソリン・ディーゼル車の新車販売を禁止すると発表。
当初は実現が疑問視されていましたが、2025年4月に正式に施行されました。
ノルウェーは世界初の「ガソリン車新車販売禁止国」となり、EUの2035年計画を大きくリードしています。
6. 社会全体の「環境マインド」
この成功は政策だけでは成し得ませんでした。ノルウェーでは:
- 超党派の気候変動対策への合意
- 学校・メディアでの環境教育
- 「EVを選ぶこと=地球への責任」とする社会意識
市民一人ひとりが「自分ごと」として環境を考え、自発的にEVを選んでいる点が最大の強みです。
まとめ:ノルウェーは世界のEVロールモデル
ノルウェーの事例は、EV化が単なる「技術革新」ではなく、国家全体のシステム変革であることを示しています。
税制・インフラ・再エネ・政治的意志・社会の価値観が一体となることで、
ここまでの変革が可能になるのです。
これからEV化を進める国々にとって、ノルウェーの道のりは大きなヒントとインスピレーションになるはずです。
皆さんは、EV社会についてどう思いますか?コメントでぜひご意見をお聞かせください!
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